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ALCHEMY
往年のファンからするとかなり新しい部類、1999年のアルバム。自身のスタジオが影響しているかのかどうなのか、音の悪さがいかんともしがたいこの時期のイングウェイですが、比較的クリアな音で曲も良い名盤です。ソロになった当時の「ライジング・フォース」名義を久々に復活させていて、原点回帰のような曲構成とプレイとがとてもカッコイイお気に入りの作品です。
ちょうど自分がDTM
(デスクトップミュージック)を始めた時期だったので、なんとなくデジタルならではの音のクリアさを感じた記憶があります。アルバム全体としては、再度迎え入れたボーカルのマーク・ボールズが存分に効いてます。彼のハイトーンを活かして曲が作られたというのが感じられます。コピーするならギターよりボーカルが大変かもしんないですね。
このアルバムまでの90年代のイングウェイ作品といえば、3〜4分程度のキャッチーな短い曲が多くギターソロもほぼインプロヴァイズ(即興)だった時期、クラシカルなフレーズは健在だったもののソロデビュー時代に見られる様式美のような雰囲気はあまりありませんでした。ソナタやロンドなど楽式まで考えているかどうか知りませんが、バロックや古典っぽい様式美はどちらかというと本人よりイングウェイに影響を受けた次世代ミュージシャンによるネオクラシカルやクロスオーバー路線で盛り上がっていたように思います。
デビュー当時のイングウェイといえばクラシック音楽っぽいハーモニックマイナーを多用したフレーズと進行、超絶技巧で、一気にヴィルトゥオーゾとしてスターダムにのし上がったわけですが、後のヤング・ギターのインタビューで本人が「昔の曲はなんというか曲になっていなかったよ」と語っていた通りいまいち?な部分も多かったです。このアルバムでは、久しぶりに原点回帰とも言える組曲とかインストゥルメンタル(ボーカル無し)が多いのですが、ファースト・アルバムやトリロジーに比べるとずっと耳に入りやすい流れで聞きやすい印象です。
テクニック的にも、クロマティックスケール(半音階)が出てきたりして、聴くのはもちろんギターコピーするのにもなかなか面白いアルバムだと思います。一番のお気に入りは、本人が当時最も速いと言っていたインスト1.Britzklieg
がカッチョ良いです。インプロヴァイスの部分は完コピなんかせずに自分のものにするといいですね。この流れで2.Leonardo
から4.Stand
あたりまで一気にいく曲間もいいです。イングウェイならではの泣きのギターが聴ける6.Blue
もオススメです。
曲目
- Blitzkrieg
- Leonardo
- Playing With Fire
- Stand (The)
- Wield My Sword
- Blue
- Legion Of The Damned
- Deamon Dance (7,405,926)
- Hangar 18, Area 51
- Voodoo Nights
- Asylum I
- Asylum II
- Asylum III
- God Is God